男1:「う・・うわ!や・・やめてくれ!何でお前がこんなこと・・」
グサっ
男2:「お前が!・・お前が俺の大事なものを奪うから悪いんだ!」
男1:「うう・・」
バタっ
男2:「ふぅ。やっと片付いた。じゃあ次は・・ふふふ・」
私の名前はマナミ、総合情報学部の大学三年生。
私は、同じ学部の一つ上の先輩、ユウスケと付き合っている。
ユウスケ:「今日さ、授業終わったら買い物行かない?服選んで欲しいんだよな〜」
マナミ:「仕方ないな〜。帰りにチーズケーキ食べて帰ろ!あの、私が好きなヤツ!」
ユウスケ:「お前、あれ好きだよな〜。あんなに食べて飽きないの?」
テレビにも紹介されたこともある評判の私の大好きなチーズケーキ。ホールでの注文限定だから食べ応えがあって大満足。
ユウスケは大きすぎて食べきれないって言うけど、結局いつも私が完食してしまう。
ユウスケと大学の構内を歩いていると、ケンジが通りかかった。ケンジはユウスケの親友で、大学一勉強が出来るやつだ。
ユウスケ:「おー、ケンジ。俺たち、あとで買い物行くけどお前も来ないか?またあのチーズケーキ食べるんだよ。手伝ってくれよー」
ケンジ:「悪い!おれ課題まだなんだ。行きたいけど今日中に仕上げなきゃ。また今度な!」
ユウスケ:「おう!じゃまたな!」
マナミ:「ケンジくんって、真面目だね〜」
楽しい大学生活も終わり、私はI T関係の会社に就職。そして24歳の時にユウスケと結婚する。最初こそ、ユウスケとの結婚生活は素敵なものだったが、結婚して3年が経つ頃には夫婦仲は良いとは言えない状態になった。
マナミ:「ユウスケ、いつまでテレビ見てるのよ」
ユウスケ:「おう・・」
ユウスケはテレビばかり見て、あまり私と喋ってくれない。仕事も辞めてしまい、一日中家でダラダラ過ごしている。
マナミ:「じゃ、あたし仕事行ってくるね」
ユウスケ:「おう・・」
こういった感じで、毎日ため息をつきながら、会社へ向かう。歩きながら、ユウスケとの夫婦仲が良くない原因の一つは、私が仕事を優先しているからだと考えている。
大学を卒業してすぐ、IT会社に入社。Web制作のリーダーを任されるようになり、正直、残業も多いから家に帰るのも遅くなりがち。
今日も仕事が遅くなり、家に向かいながら考える。
マナミ:「はぁ。大学の頃みたいに、一緒にゲームをして遊んだり、チーズケーキを食べに行ったり、ユウスケと一緒に過ごす時間をもっと作れればいいんだけどなぁ」
そう思いながら帰宅する。
マナミ:「ただいまー」
ユウスケ:「ゲーム機壊れちゃったよ。新しいの買って」
帰宅すると、私の大切なゲーム機が壊されている。最近は忙しくて使っていなかったけど、今はユウスケが一日中使っている。
マナミ:「ちょっと、ユウスケ!誰のお金で買ってると思ってるのよ!大事に使ってよ」
ユウスケ:「はあ?壊れたもんはしょうがないだろ!」
マナミ:「この家で、あなた以外にゲームするの誰がいるって言うのよ!」
本当は仲直りがしたいのに怒りが爆発。そこから激しい夫婦喧嘩が始まった。こんなはずじゃなかったのに・・
翌日、ユウスケは大学の頃の親友・ケンジとそのまま旅行へ行った。昨夜喧嘩したこともあり、朝は一言も言葉を交わさなかった。
3日後、ユウスケが旅行から帰ってくるはずの日だが、全然戻ってこない。そんな中、ユウスケから一通の手紙が届いた。
マナミ:「普段はメールなのに、なんで手紙書いたんだろ?」
手紙を見ると、そこには『ユウスケの父が大怪我を負ったから半年ほど看病しないといけない。しばらく家には戻れない』と書かれていた。
ユウスケの母は彼が幼い頃、病死していたから看る人はユウスケしかいないのだ。ユウスケの父は、仕事が忙しい私に迷惑をかけたくないと言っているということで、見舞いには来ないようにとも書かれていた。
マナミ:「会いに行きたいけど、喧嘩してから話してないし、ユウスケと会うとまた喧嘩しそうだし」
悩んだ末、「こっちは気にしないで、お父さんのそばにいてあげて」とメールを送り、見舞いには行かないことにした。そして、そのメールにユウスケから返事が来ることはなかった。
半年後、ユウスケが帰ってきた。
ユウスケ:「あのさ、ゲーム機のことなんだけど、悪かったよ」
帰宅早々、ユウスケは謝り、お詫びもかねて私の大好きなチーズケーキを土産に買ってきた。
マナミ:「え!もう大丈夫だよ。このケーキひさびさ!嬉しい♪ありがとう!」
戻ってきたユウスケは夫婦仲を良くしようと色々な事を提案し出す。
ユウスケ:「なあ、マナミ。俺はお前との時間を大事にしたい。だからやっぱり家事代行を頼もうか」
マナミ:「え!いいの?」
ユウスケ:「うん。もっと二人の時間を増やしたいんだ」
私は嬉しかった。家事代行は前々から相談してたけど、なかなか納得してもらえなかったから。
そして、もう一つユウスケは付け足した。
ユウスケ:「あとさ、俺もお前と同じ会社で働くことにしたよ。そしたら、会社でも一緒だ」
それからもユウスケの提案はつづく。半年ぶりの彼は、前とは比べものにならないほど優しくなっていた。
そして今では仕事面でも頼りになり、さり気なく私をサポートをしてくれることもある。職場でのユウスケの評判は上々で、私もチームのリーダーとして鼻高々。
そして、いつも私より先に帰宅して、笑顔で家で出迎えてくれる。夜中にスマホをチェックしたり、少し重い部分もあるけど、見過ごせるレベル。昔より今の方がずっと幸せ。
そんな楽しい日々を送る中、ある日、テーブルの引き出しからユウスケの日記を見つける。見てはいけないと思いつつも、中身が気になって仕方なかった。
日記にはこう書かれてあった。
『5月8日。マナミといても楽しくない。早く離婚しよう』
『5月9日。ケンジが家に遊びにきてくれた。大学時代は同じ女を好きになって喧嘩もしたが、今じゃ一番の親友だ。ケンジがきてくれたおかげで、久々に楽しめた』
『5月10日。あいつ、俺がゲーム機を壊したとか言いやがる。うるさい。もう嫌だ、離婚しよう。でも明日から、ケンジと旅行だ。ケンジはリフレッシュして生まれ変わる旅にしようぜって言ってたかな。そうだ、帰ってきたら早速あの女に離婚を突きつけてやろう』
日記はそれで終わっていた。
ユウスケが旅行に行ったのは5月11日、それから半年ほど経った11月15日に彼は戻ってきた。私は考えを巡らす。
日記を読み終わった後、ユウスケの自宅とケンジに電話をかけてみる。
マナミ:「なんでだろ。どっちも繋がらないな〜」
その後、探偵を使ってユウスケの父とケンジを探すが、二人とも半年くらい前から行方不明になっていることが分かった。
マナミ:「ただいま!」
ユウスケ:「おかえり、早かったね?」
マナミ:「うん、今日はクリスマスだし、二人でケーキ食べたいなって思って」
ユウスケ:「そっか、もうクリスマスか♪」
マナミ:「私、ユウスケと結婚できて私幸せだな〜。改めて宜しくねユウスケ!」
ユウスケ:「照れるな〜。こちらこそ、宜しく!」
2人で大好きなチーズケーキを食べて素敵なクリスマスを過ごした。
ミーの解説
「こんばんは。管理人のミーです。今夜のお話はどうでしたか?
マナミとユウスケは大学の頃から付き合っていて結婚もしました。しかし結婚後は夫婦仲が悪くなり、離婚直前でした。
なぜ、急に夫婦仲がよくなったのでしょうか?
実は半年間の旅行中にユウスケとケンジは入れ替わってしまっていたんです。
ケンジは大学生の頃からマナミの事がずっと好きでした。なので、ユウスケを旅行に誘い殺害、その後、整形手術をしてすっかり入れ替わってしまったのでした。
探偵を雇ったり、本物のユウスケの日記を見たりしてマナミはその事に気がついたのかもしれませんが、そのまま夫婦生活を続けています・・。
それ以外にも、このお話には不思議な点がたくさん散りばめられていますので、気付いた方はコメント欄で教えてくださいね。
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それでは今日はこの辺で・・またお会いしましょうね♪